2020年2月28日 「医院・クリニックの内覧会当日、注意するべきポイントとは?」を公開しました!

医院・クリニック経営を安定させるための集患・増患ポイントとは?

医院・クリニックの『安定した経営』とはどのようなものでしょうか?

毎月の来院患者数が安定し、入金(診療報酬)と出金(経費や借入金の返済)の差額としての手元資金(キャッシュフロー)が増えていれば、経営は安定しているといえるでしょう。

しかし、たとえキャッシュフローが黒字になっていたとしても、中期的に見て来院患者数の減少がみられてしまうような場合には安定経営とはいえません

そのため、クリニック経営を安定して持続するためには、以下の2点が重要となってきます。

  • 『安定経営』と言える段階までの来院患者数の確保
  • 新患定着率を上げるなどの、安定経営の維持施策

これらの本質は『医院・クリニックはサービス業としてどうあるべきか』を考え抜くことにあります。

その点を踏まえながら、安定経営を実現し、さらに継続するために押さえておくべき集患・増患のポイントを考えていきましょう。

 

『安定経営』までの集患・増患のポイント

開業初期は、まずは認知度の問題があります。

良い設備、良いスタッフ等、たとえ万全の態勢で開業を行ったとしても、『その場所にクリニックがOPENしています!』ということを積極的にお知らせしなければ、患者様は足を運んでくれません

そのため開業初期の段階では、まずはクリニックの存在を周囲にお知らせし、認知度を高めなければいけません。

認知度を高める手段としては以下のようなものが挙げられます。

  • ウェブサイト(HPの開設)
  • インターネット広告(リスティング広告)
  • 内覧会の開催
  • クリニックのパンフレットやチラシの配布
  • 電柱広告
  • 駅看板広告
  • 電車・バス広告
  • デジタルサイネージ(電子看板)の設置

場合によっては、SNS(Twitter、Facebook、Instagram等)の活用もあります。

もちろん、来院された患者様による口コミ効果も期待できますが、開業初期においては受け身ではなく主体的・積極的な姿勢で認知度の向上を目指す必要があります

 

『良い医療を提供していれば患者様に伝わるはず』というのは間違いではありません。

しかし、例えば腕の良い職人の方や美味しい料理を提供している飲食店が必ず経営的に安定しているかというと、そうでもないのが現実です。

経営という観点からは、ただ待っているだけではダメなのも事実なのです。

 

ただし一方で、積極的に新患の方を集める際には注意点もあります。

初めて来院される患者様は「できたばかりのクリニックを見定めに来ている」といえるからです。

「試しに行ってみたけれど、応対が雑だった…」などと言われてしまうと、口コミ的には逆効果になってしまいます。

せっかく集患に力を入れても、スタッフの応対が疎かになっていては意味がありません。

たとえ開業初期でスタッフの応対がまだ不慣れな状態であったとしても、最低限、せっかくご来院いただけた患者様に悪い印象を持たれない雰囲気づくりは心掛けましょう。

 

安定経営を維持するためのポイント

こちらは一度来院して下さった患者様に再度来院していただき、安定経営を維持するために考えるべき内容となります。

例えば、

  • 医師の患者対応
  • スタッフの患者対応(接遇)
  • クリニックの雰囲気(照明の明るさ、院内清掃)
  • 患者の利便性(診療予約システムの導入、待合室の居心地の良さ、診療時間の見直し)
  • タウン誌などへの広告掲載
  • 地域医療との連携

などがあります。

これらの中でも、なるべく費用をかけずに改善できるものとしては、医院・クリニックの雰囲気改善が挙げられます。

受付のスタッフに私語が多かったり、笑顔もなくぶっきら棒な応対をしていたりしては印象がよくありません。医師やスタッフの「身だしなみや清潔感」「言葉遣い」「患者様への接し方」を通じてクリニックの雰囲気を良くしていきましょう。

また、「表面的には丁寧ではあるものの、心がこもっていない応対」もありがちです。たとえ形式的には挨拶が出来ていたとしても、心がまったく入っていない言葉では患者様にも見透かされてしまいます。

 

忙しくなればなるほど、効率的にさばくような応対も必要となってきますが、だからといって雑になっていいわけではありません。

医療の仕事は非営利な側面が強いせいか、同時に患者様をお客様としたサービス業であることを忘れがちです。この点は意識していないと疎かになりやすいので注意しましょう。

 

患者様に『また来たい』と思ってもらえるかどうかが鍵

『安定経営』を目指す上で、経営的指標としての診療報酬(売上)と経費のバランスなどの数値的なシミュレーションによる目標値は必要です。

しかし、今まで説明をした施策等の結果、安定して患者様にご来院いただけているクリニックであれば、実はそれほど気にしなくても(数値的な)経営は安定してきます。

患者様に、『また来たい』と思ってもらえるか、少なくとも『もう二度とここには来たくない』という応対になっていないかは気を付けなければなりません。

 

クリニックの立地、内装など、開業初期の多額の投資により出来上がっているものを変えることは資金の関係からも難しいことでしょう。

それでも、ある程度の資金で新たに導入できそうなものや、目先の努力でできることは意外とたくさんあります。

これらの中から『出来ていること』と『不足していること』を確認していき、優先順位と費用をみながら、改善や新たな取り組みを検討してみることをお勧めします。

費用をかけるべき時かどうかは、正確な財務数値をもとに判断する必要があります。TOTAL医療チームでは、グラフや集計表を多数盛り込んだマネジメントレターという形で、見やすい会計情報をご提供しています。

 

クリニックの雰囲気というものは、患者様に必ず伝わります。

『良い雰囲気のクリニック』と言うと抽象的ですが、患者様に「あのクリニックはいいクリニックです!」と、口コミで言ってもらえるようなクリニックをぜひ目指しましょう