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クリニック内覧会の事前準備とは?重要なポイントを解説

内覧会の前に検討しておくこととは?

医院やクリニックの開業は、医療従事者にとって大きな挑戦であり、夢の実現でもあります。その重要なステップの一つが内覧会です。内覧会は、地域の方々に新しい医療施設を紹介し、信頼関係を築く絶好の機会となります。しかし、成功する内覧会を行うためには、適切な準備と計画が不可欠です。

本記事では、内覧会を成功に導くための重要なポイントや、準備事項を詳しく解説します。これにより内覧会を効果的に実施し、地域との信頼関係を築くための具体的な方法や考慮すべき点を確認することができます。

信頼構築と医療サービスの効果的なPR戦略

内覧会は単なるクリニック施設の公開ではなく、地域との絆づくりの第一歩です。その意義を十分に理解することで、より効果的な内覧会を実施できます。

地域住民との関係構築

内覧会は、地域住民と直接対面し、交流する貴重な機会です。医療は地域に根ざしたサービスであり、地域の方々との信頼関係は欠かせません。内覧会を通じて、医院やクリニックの理念や方針を伝え、地域の方々の健康を支える存在としての好印象を築くことができます。

また、地域の方々の声を直接聞くことで、ニーズや期待を把握し、今後の運営に活かすこともできます。例えば、特定の診療科目への要望や、診療時間に関する意見など、貴重な情報が得られる可能性があります)。

医療サービスの周知とPR

内覧会は、提供する医療サービスを具体的に説明し、PRする絶好の機会です。最新の医療機器や設備を実際に見ていただくことで、医院やクリニックの特徴や強みを効果的にアピールできます。

内覧会の日程や時間の決め方

内覧会の成功は、多くの方に参加していただけるかどうかにかかっています。地域の特性を考慮し、ベストなタイミングを探りましょう。

最適な曜日と時間の選択

内覧会の日程を決める際は、地域の特性や対象となる患者層を考慮することが重要です。なるべく多く幅広い層の方に来て頂けるよう、開業日から遡って最初の土曜や日曜日の10~15時が一般的ですが、地域と診療科目を加味した想定される患者層によっては、平日も適している場合があります。

地域の行事カレンダーも確認し、他の大きなイベントと重なることはメリットにもデメリットにもなりますので注意しましょう。また、当日、特定の関係者向けにご案内する時間帯がある場合には、せっかくお越し頂いた一般の患者様と重なりご案内の優先順位が逆転しないようにするなど、工夫が必要です。

準備期間の確保

内覧会の日程を決める際は、しっかりとした準備期間を確保することも重要です。一般的には、開業予定日の1週間以内に内覧会を実施することが多いですが、準備は余裕を持って1~2ヶ月前から他の打合せと並行しながらも、内覧会向けの案内状の作成や配布、当日のスタッフのご案内の仕方、説明資料の準備などを進めておくのが良いでしょう。

来場を促す魅力的な案内状づくり

内覧会の成功は、いかに多くの方に参加していただけるかにかかっています。そのためには、効果的な案内状の作成と適切な配布方法の選択が重要なテーマです。

効果的な案内状のデザインと内容

案内状は、内覧会の第一印象を左右する重要なツールです。デザインは医院やクリニックのイメージに合わせ、清潔感と信頼感を醸成するものを選びましょう。内容には以下の要素を盛り込むことをおすすめします:

  1. 内覧会の日時と場所、開院日
  2. 医院・クリニックの特徴や強み
  3. 院長や主要スタッフの紹介
  4. 参加特典(例:当日の健康相談、血圧測定サービスなどあれ場合)
  5. 問い合わせ先

ターゲットに合わせた配布戦略

案内状の配布方法は、ターゲットとなる患者層や地域の特性に合わせて選択します。一般的な方法としては以下のようなものがあります。

  1. 近隣住民へのポスティング
  2. 地域の公共施設や商業施設でのチラシ配布
  3. 地域情報誌や新聞への折り込み広告
  4. SNSや医院のウェブサイトでの告知

また、配布に当たっては、地域の医療機関や薬局との連携も重要です。

印象に残るアピールポイントとは?

内覧会当日、参加者に何を伝えるかはきちんと検討する必要があります。限られた時間の中で、医院・クリニックの魅力を最大限に伝えるためには、説明内容を事前にしっかり準備しておくことが重要です。特に、院長の役割は極めて重要であり、内覧会の成功と将来の集患に大きな影響を与えます。とはいえ、一番大事なのは誠実な気持ちをお伝えする事ですので、例え混雑したとしても、なるべく多くの皆さんにご挨拶できるよう心がけましょう。

医院・クリニックの特徴と強みのアピール

内覧会では、自院の特徴や強みを明確に伝えることが重要です。これらは、他の医療機関との差別化ポイントとなり、患者さんの選択基準にもなります。以下のような点に焦点を当てて説明を準備しましょう):

  1. 最新の医療機器や設備の導入状況
  2. 専門性の高い診療科目や特殊な治療法
  3. 院長や医師の経歴や専門分野
  4. 患者さんの利便性を考えた取り組み(予約システム、待ち時間対策など)
  5. 感染対策や衛生管理の取り組み

繰り返しになりますが、上記アピールよりも重要なのは、誠実な気持ちありきで良い雰囲気を感じて頂けることです。満足して良いクリニックの印象を持って頂ければ、おのずと集患はついてきます。当日で信頼度を上げるために一番効果的な方法は、患者様のお話に傾聴してあげることです。                           

限られた時間で一人一人のお話を聞くには現実的ではないかもしれませんが、当日のスタッフの事前の心構えも同様に、可能な限り寄り添う姿勢でお話をお聞きできていれば、親近感が信頼性にも繋がりやすいでしょう。

診療科目と提供サービスの紹介

内覧会参加者に、提供する診療科目やサービスを分かりやすく説明することも重要です。特に、地域のニーズに応える特色ある診療科目やサービスがあれば、重点的に説明を行いましょう。

院長の役割:クリニックの顔としての重要性

内覧会において、院長は単なる説明者ではありません。院長はクリニックの一番の営業マンであり、その言動や態度が将来の集患に強い影響を与えます。以下のポイントを意識して、院長の役割を最大限に活かしましょう:

  1. 親しみやすさと専門性のバランス
  2. 患者様への共感と傾聴の姿勢
  3. クリニックの理念と方針の体現
  4. 個別対応の重視
  5. フォローアップの約束

院長の患者様への対応は、当人ばかりでなく口コミの拡散により、その後の集患に強い影響を及ぼします。内覧会は、地域の方々に院長の人柄や医療に対する姿勢を直接感じてもらえる貴重な機会です。この機会を最大限に活用し、信頼関係の構築と将来の集患につなげていくことが重要です。

スタッフ全員で作る心のこもったおもてなし

内覧会の成功には、スタッフ全員の協力が不可欠です。事前に役割分担を明確にし、必要な教育を行うことで、スムーズな運営と参加者への良好な印象づくりが可能になります。

接遇マナーの徹底

内覧会は、医院・クリニックの第一印象を決定づける重要な機会です。スタッフの対応が当日の参加者)の印象に大きく影響するため、接遇マナーの徹底はやはり重要です。開業に向けて他の準備と並行しながらで大変な時期ではありますが、以下のような点について、事前に研修や練習を行うのが良いでしょう:

  1. 挨拶と言葉遣い
  2. 身だしなみ
  3. 表情や態度
  4. ご案内の仕方
  5. 質問への対応姿勢

質問対応の準備

内覧会では、参加者から様々な質問が寄せられることが予想されます。スタッフ全員が基本的な質問に答えられるよう、簡単ながらも事前に想定問答集を作成し、それを全員で共有して、最低限の同じお答えができるよう、準備する必要があります。特に以下のような質問については、回答を統一しておくことが重要です:

  1. 診療時間や予約方法について
  2. 対応可能な診療や料金について
  3. 院長の経歴や専門性
  4. 他の医療機関との連携体制について
  5. 駐車場、駐輪場の有無

内覧会の日程やスケジュール(時間)の決め方

内覧会当日のスムーズな運営のためには、ラフでも良いので具体的に当日をイメージをしながらの計画を立てることが重要です。参加者の動線や安全管理など、様々な観点から準備を進めましょう。

来場者の動線設計

参加者が混乱なくスムーズに施設を見学できるよう、適切な動線を設計することが重要です。以下のポイントを考慮しながら、基本の動線を考えておきましょう:

  1. 受付係の立ち位置と案内表示
  2. 見学ルートの設定(一方通行又は自由に閲覧)
  3. 各部屋や設備の説明ポイント
  4. 休憩スペース、席の確保
  5. 記念品(ノベルティ・グッズ)配布場所

診療の流れに沿った見学ルートを設定することで、医院・クリニックの機能を効果的に紹介できます。来場者数に対し人手に余裕がある場合には、案内役が見学ツアーのような形でご案内して回るのが良いでしょう。ただし、自由に見て回りたい方もいらっしゃるため、そのあたりは臨機応変な対応が求められます。

自由見学の場合には参加者の滞留を防ぐため、人気が予想される場所には適切な誘導ができるようスタッフを配置しましょう。また、診療科目によっては車椅子使用者や高齢者がいらっしゃるため、お声がけの仕方も想定しておく必要があります。

感染対策と安全管理の徹底

内覧会では多くの方が来場するため、感染対策と安全管理には注意を払う必要があります。最近は以前ほど感染対策の実施は求められなくなってきましたが、それでも医療機関として以下の点はしっかり対策する必要があります:

  1. 手を消毒するためのアルコールの設置
  2. 医療機関としてのスタッフのマスク着用
  3. 定期的な換気
  4. ソーシャルディスタンスの確保(混雑時など)

安全管理面では、以下の点にも注意を払いましょう:

  1. 緊急時の対応マニュアルの作成と周知
  2. 転倒防止のための入り口階段や床面の管理
  3. 非常口の明示と避難経路の確保

これらの対策を講じることで、参加者に安心して内覧会を楽しんでいただけるでしょう。また、こうした取り組みは、医院・クリニックの安全管理に対する姿勢を示す良い機会にもなります。

参加者とのコミュニケーション促進

内覧会は、単に施設を見てもらうだけでなく、参加者とのコミュニケーションを深める貴重な機会です。以下のような取り組みを実施するとよいでしょう:

  1. 質問コーナーの設置
  2. アンケートの実施

これらの取り組みを通じて、参加者との双方向のコミュニケーションを促進し、医院・クリニックに対する理解と信頼を深めることができるでしょう。

フォローアップ計画の立案

内覧会の成果を最大化するためには、イベント後のフォローアップも重要です。

  1. 内覧会の様子の公開(SNSやブログ等で盛況であった写真等を公開するのは効果的でしょう)。ただし、ご本人の顔を勝手にアップするのは肖像権の侵害となるおそれがありますので、配慮を加えたものに加工する必要があります。)

フォローアップ活動を通じて、内覧会で芽生えた関心や信頼を、実際の来院や地域での評判向上につなげていくことができます。

おわりに:心に響く内覧会を目指して

医院・クリニックの内覧会は、地域との信頼関係を築くための大切な第一歩です。成功のためには、目的を明確にし、地域や患者様に寄り添った医療サービスを効果的に紹介することが重要です。また、参加しやすい日程や時間を選び、魅力的な案内状を適切に配布することで、開業後間もない時期からの集患を最大化できます。内覧会当日は、スタッフ全員で心のこもったおもてなしを提供し、安心・安全な運営を心がけましょう。院長の人柄が信頼関係の鍵となるため、親しみやすさと専門性を兼ね備えた対応が求められます。さらに、内覧会後もフォローアップを行い、長期的な信頼関係を築くことが重要です。

執筆者 / 松崎 史朗

税理士法人TOTAL 開業支援部部長
宅地建物取引士合格 FP2級技能士 証券外務員一種 明治大学卒業

国際証券(現在の三菱UFJモルガンスタンレー証券)でリテール営業を経験後、外資系メーカーなどにも勤務。個人事業4年間を経て平成30年より税理士法人TOTAL再入社

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