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クリニック内覧会当日の注意点とは?成功の秘訣とチェックポイントを解説

内覧会当日、注意するべきポイントは?

内覧会は、正式な開院前や開院直後に、地域の方々にクリニックの設備やスタッフを紹介する大切な場であり、非常に重要なイベントです。 地域住民や医療関係者に新しい医療施設をお披露目し、信頼関係を築く絶好の機会となります。
ただし、内覧会を成功させるためには、細やかな配慮と十分な準備が必要です。

本記事では、内覧会当日に注意すべきポイントを詳しく解説します。スタッフの対応から設備の確認まで、円滑な内覧会運営のためのチェックリストをご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。

内覧会を成功させる秘訣とは?

内覧会当日は、来場者に最高の印象を与えるチャンスです。そのためには、スタッフ全員が万全の準備を整え、適切な心構えで臨むことが重要です。ここでは、当日の準備と心構えについて詳しく見ていきます。

事前準備

内覧会は、事前準備からが重要です。ポスティングや新聞折り込み、さらには駅前でポケットティッシュなどを配ることで「新たにクリニックが開業すること」と「内覧会が実施されること」を近隣住民や駅の利用者に告知し、認知を広めておくことが重要です。いわゆる「仕込み」に該当するこの作業があると無いとでは内覧会当日の来院数に大きな違いが出ます。また、大規模ショッピングモール内でのご開業であれば、告知についてモール自体の協力を頂ける場合もあります。巻き込める先は積極的に巻き込んで認知を広げておく方が良いです。

スタッフの服装と態度

内覧会に参加するスタッフの服装と態度は、医院やクリニックの印象を大きく左右します。清潔感のある統一された服装を心がけ、白衣やスクラブなど、医療従事者らしい装いを選びましょう。髪型や化粧も控えめにし、清潔感を重視します。看護師や受付医療事務の方など職種や役割によって色やデザインは分けても良いですが、全員の制服着用が望ましいです。

態度面では、明るく丁寧な対応を心がけることが大切です。来場者一人ひとりに対して、笑顔で挨拶し、親切なご案内を心がけましょう。質問には丁寧に答え、専門用語をできるだけ避けて分かりやすい説明を心がけましょう。スタッフ全員が同じレベルの対応ができるよう、事前に接遇研修を行うことも効果的です。

案内ルートの最終確認

内覧会をスムーズに進行させるためには、案内ルートの最終確認が欠かせません。当日の朝、内覧会開始前にスタッフ全員で実際のルートを歩き、問題がないか確認しましょう。

案内ルートを決める際は、来場者の動線を考慮し、混雑を避けられるよう工夫します。待合室、診察室、処置室など、重要な場所を効率よく回れるようにしましょう。また、エレベーターや階段の位置、トイレの場所なども確認し、迷わず案内できるようにしておきます。

案内表示やサインも重要です。分かりやすい位置に適切な案内表示を設置し、来場者に分かりやすいよう配慮します。特に、受付や各診察室、トイレなどの重要な場所には、目立つサインを用意するのもよいでしょう。

受付体制の整備

スムーズな受付は、内覧会の成功に大きく影響します。当日の受付では、来場者の名簿管理、案内資料の配布、質問対応など、多岐にわたる業務をこなす必要があります。そのため、十分な人員を配置し、効率的な体制を整えることが重要です。

受付スタッフは、来場者の第一印象を決める重要な役割を担います。笑顔で丁寧な対応を心がけ、混雑時でも落ち着いて対応できるよう、事前にシミュレーションを行っておくとよいでしょう。その他にも「先生の専門は?」「何を診てくれるの?」「以前はどこにいらっしゃった先生なの?」といった質問があることが想定されます。事前に先生と打ち合わせをしておくことでスムーズな対応ができます。

また、受付では来場者の情報を収集する機会でもあります。アンケートの配布や回収、連絡先の確認など、フォローアップに必要な情報収集も忘れずに行いましょう。ただし、個人情報の取り扱いには十分注意し、来場者のプライバシーを尊重することを忘れないでください。

当日は、クリニック自体の見学目的の方もいらっしゃいますが、何よりも「どんな先生なのか?」を気にして来場される方が多いです。先生には来場者とお話をしていただきたいのですが、そうなるとすぐに診察や医療相談が始まってしまい、先生の前に渋滞ができます。ルートの設計以上に、先生には「開院以降の診察につなげるための話法」を用意していただくと良いでしょう。

施設と設備のチェックポイント

内覧会で来場者に良い印象を与えるためには、施設や設備の状態が非常に重要です。清潔で機能的な医療環境を示すことで、患者さんに安心感を与え、信頼を得ることができます。ここでは、施設・設備面での注意点について詳しく解説します。

清掃状態の再確認

内覧会当日は、施設全体の清掃状態を入念に確認することが大切です。特に、診察室や処置室などの医療行為を行う場所は、衛生面で高い基準が求められます。床や壁、天井などの表面に汚れや傷がないか、細かくチェックしましょう。

また、待合室や受付エリアなどの共用スペースも、来場者の目に触れる重要な場所です。椅子やテーブル、雑誌などの備品も含めて、清潔感のある状態を保つよう心がけましょう。トイレや手洗い場も重要です。清潔さはもちろん、十分な消耗品(トイレットペーパー、ハンドソープなど)が補充されているか確認しましょう。

さらに、窓やミラーなどのガラス面も忘れずにチェックします。指紋や汚れが目立つ場所なので、内覧会直前に再度拭き上げるなど、細やかな配慮が必要です。

医療機器の動作チェック

内覧会では、医療機器の展示も重要なポイントとなります。最新の医療設備を備えていることをアピールするチャンスですが、同時に機器の不具合があれば大きな印象ダウンにつながります。そのため、すべての医療機器の動作チェックを事前に行うことが不可欠です。

レントゲン装置、超音波診断装置、心電図計など、主要な医療機器はもちろん、血圧計や体温計などの基本的な測定器具も含めて、一つ一つ丁寧に確認しましょう。動作確認だけでなく、清掃状態や外観のチェックも忘れずに行います。

また、医療機器の説明ができるスタッフを配置することも重要です。来場者からの質問に適切に答えられるよう、主要な機器の特徴や使用方法について、事前に勉強会を開くなどの準備をしておくとよいでしょう。

安全性の確保

内覧会中の安全管理は最も重要な注意点の一つです。多くの来場者が訪れる中で、事故や怪我が起こらないよう、細心の注意を払う必要があります。

まず、通路や階段などに障害物がないか確認し、つまずきや転倒の危険を排除します。特に、高齢者や車椅子利用者など、移動に配慮が必要な方々への対応を考慮しましょう。

また、医療機器や薬品などの危険物の管理にも注意が必要です。誤って触れたり操作したりすることがないよう、適切な保管場所や立ち入り制限を行います。特に子供が来場する可能性がある場合は、より慎重な対応が求められます。

緊急時の対応体制も整えておくことが大切です。AEDの設置場所の確認や、緊急連絡先リストの用意など、不測の事態に備えた準備を怠らないようにすることが肝要です。

心をつかむ来場者対応とは?

内覧会の成功は、来場者への対応の質にかかっていると言っても過言ではありません。ここでは、来場者に好印象を与えるための対応ポイントについて詳しく見ていきます。

質問への適切な回答準備

内覧会では、来場者からさまざまな質問が寄せられます。診療内容や専門分野、医療機器の特徴、開業後の運営方針など、多岐にわたる質問に適切に答えられるよう、事前に準備しておくことが重要です。

よくある質問とその回答をまとめたQ&A集を作成し、スタッフ全員で共有しておくとよいでしょう。特に、診療科目や治療方針、予約システム、保険適用の範囲などは、多くの来場者が関心を持つポイントです。これらの質問に対しては、具体的かつ分かりやすい回答を用意しておきましょう。

また、専門的な医療用語や難しい表現は避け、一般の方にも理解しやすい言葉で説明することを心がけます。必要に応じて、図や写真を用いた説明資料を準備しておくのも効果的です。

プライバシーへの配慮

医療機関の内覧会では、来場者のプライバシーへの配慮が特に重要になります。個人情報の取り扱いには細心の注意を払い、不必要な情報収集は避けて下さい。

受付での名簿記入や、アンケートの実施の際には、収集する情報の目的と使用範囲を明確に説明し、同意を得ることが大切です。また、記入された情報が他の来場者の目に触れないよう、適切な管理を行いましょう。

質問や相談を受ける際も、プライバシーに配慮が必要です。個人的な健康相談などは、他の来場者に聞こえないよう別室を用意するなどの対応が望まれます。

フィードバックの収集方法

内覧会は、地域の方々や医療関係者からの貴重なフィードバックを得る機会です。これらの意見や感想は、開業後の運営改善に活かすことができる重要な情報源となります。

フィードバック収集の方法としては、アンケート調査が一般的です。アンケートでは、施設の印象、スタッフの対応、期待する医療サービスなど、具体的な項目について意見を募ります。ただし、アンケートの量が多すぎると回答率が下がる可能性があるため、重要な項目に絞って簡潔なものにすることが大切です。

また、直接的な会話を通じてフィードバックを得ることも重要です。スタッフは来場者との会話の中で、率直な意見や要望を聞き取るよう心がけて下さい。特に、地域の医療ニーズや、既存の医療機関では満たされていないサービスについての情報は、開業後の経営戦略立案に役立ちます。

収集したフィードバックは、速やかに整理・分析し、開業に向けての改善点や強化すべきポイントを明確にしていきます。

内覧会後の効果的なアフターフォロー

内覧会が終了した後も、フォローアップは非常に重要です。適切なフォローアップを行うことで、来場者との信頼関係を深め、開業後の患者獲得につなげることができます。ここでは、内覧会後のフォローアップについて詳しく解説します。

クリニック開業に向けた最終調整のポイント

開業に向けた最終調整は、内覧会で得られた情報や知見を最大限に活用し、地域のニーズに対応できる医院・クリニックを目指すための重要なステップです。             まず、内覧会で明らかになった課題や改善点をもとに、診療科目や診療時間などの基本的な運営方針を再確認します。来場者から夜間診療への要望が多かった場合には、週に数日でも夜間診療を導入するなどの柔軟を考えてもよいかもしれません。また、注目を集めた医療機器の活用方法や、関連設備の充実についても再度検討を行い、地域の競合医療機関との差別化を図ります。

さらに、スタッフの配置や教育も見直し、内覧会での接遇面でのフィードバックを反映させます。これにより、開業時には、より質の高いサービスを提供できる体制を整えます。また、地域の医療関係者との連携を強化し、紹介・逆紹介のネットワーク構築を進めるとともに、地域とのつながりを深める計画を具体化します。

最後に、内覧会で得られた反応をもとに広報戦略を再調整し、ウェブサイトの内容や広告の方向性を見直します。特に、内覧会で関心の高かった診療内容や独自のサービスについては、積極的にPRを行い、開業後の集患につなげることが重要です。これらの最終調整を通じて、地域に根ざした魅力的な医院・クリニックとしての開業を目指します。

内覧会を成功させるためには?

医院やクリニックの内覧会は、単なる施設の公開にとどまらず、地域との信頼関係を築く重要な機会です。本記事で紹介した注意点を押さえ、綿密な準備と細やかな配慮を行うことで、内覧会を成功に導くことができます。

特に重要なのは、来場者一人ひとりに対する誠実な対応です。丁寧な説明、適切な情報提供、そして何より温かい心遣いが、来場者の心に響きます。また、内覧会で得られたフィードバックを真摯に受け止め、改善につなげていく姿勢も大切です。

内覧会は終わりではなく、新たな始まりです。ここで築いた関係性や得られた知見を活かし、地域に根差した、信頼される医療機関としての第一歩を踏み出しましょう。              周到な準備と誠実な対応、そして内覧会後の丁寧なフォローアップ。これらの要素が揃えば、素晴らしいスタートを切ることができるはずです。

内覧会での貴重な経験と皆様からいただいた声を糧に、地域の皆様の健康を支える、親しみやすい医院・クリニックとして歩み始めたいものです。

執筆者 / 松崎 史朗

税理士法人TOTAL 開業支援部部長
宅地建物取引士合格 FP2級技能士 証券外務員一種 明治大学卒業

国際証券(現在の三菱UFJモルガンスタンレー証券)でリテール営業を経験後、外資系メーカーなどにも勤務。個人事業4年間を経て平成30年より税理士法人TOTAL再入社

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