理念の輝きで導くスタッフの採用・教育の鍵|クリニック開業を成功に導くためのトータルサポートサイト。資金調達から物件選定、設計・施工、医療機器導入、運営支援、集患対策まで、豊富な経験と実績を基にした総合情報サイト。開業を考えるドクターの夢の実現を全力でサポートします。

クリニック開業のススメ

クリニックの開業の成功に向けた現場で役立つ実践的な情報を提供します。

  1. ホーム
  2. クリニック開業のススメ
  3. 人事
  4. 理念の輝きで導くスタッフの採用・教育の鍵

理念の輝きで導くスタッフの採用・教育の鍵

開業後のスタッフ採用・教育 「理念の共有」が肝となる

医院やクリニックの成功には、優秀なスタッフの採用と教育が不可欠です。しかし、単に技術や経験だけでは十分でなく、医院の理念を共有できる人材を見出し、信頼できるスタッフを育成し、安定的に働いて頂けることが重要です。本記事では、理念の共有がスタッフ採用と教育にどのように影響を与え、医院の成功につながるのかを詳しく解説します。効果的な採用戦略から、理念を中心としたスタッフ教育に至るまで、医院経営者に役立つ情報をお届けします。

医院・クリニックにおける理念共有の重要性

医院やクリニックの経営において、スタッフとの理念共有は単なる形式的なものではありません。それは組織の根幹を成す重要な要素であり、医療サービスの質や患者満足度に直結する重要な要素 です。

理念が医院経営に与える影響

医院の理念は、単なる飾り文句ではありません。それは医院の存在意義を表現し、日々の診療やサービスの指針となるものです。明確な理念を持ち、それをスタッフと共有することで、様々な良い影響が見られます。

まず、スタッフの意思決定の基準が明確になります。日々の業務で直面する様々な判断において、理念という共通の物差しを持つことで、一貫性のある行動が取れるようになります。これは患者さんに対する一貫したサービスの提供につながり、信頼関係の構築に寄与することでしょう。

また、理念の共有は、スタッフのモチベーション向上にも繋がります。自分の仕事の意義や価値を理解することで、単なる「仕事」以上の意味を見出すことが期待できるからです。これは、長期的なスタッフの定着率向上にも良い影響を与えることでしょう。

効果的な理念の作り方と伝え方

医院の理念は、実践可能で、スタッフ全員が共感できるものであることが重要です。効果的な理念を作り、伝えるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、具体的で分かりやすい表現を使うことが大切です。抽象的な言葉ではなく、具体的で行動に結びつきやすい表現を用いることで、スタッフにとって理解しやすく、実践につながりやすい理念となります。例えば、「患者さん一人ひとりに寄り添う医療を提供する」といった具体的な表現は、日々の業務に直結する指針となります。

次に、医院の特色を反映させることも重要です。地域性や診療科の特徴、医院の強みなどを理念に反映させることで、他の医院との差別化を図ることができます。「最新の医療技術と温かい心で、地域の皆様の健康を支える」といった理念は、医院の特色を明確に表現しています。

さらに、理念の作成過程にスタッフを巻き込むことも効果的です。病院とは異なり小規模なクリニックにおいて大事なことを、採用スタッフからヒアリングしてイメージを湧かせることにより、現場の実態に即した、実践しやすい理念となります。また、スタッフ自身が作成に関与することで、理念への共感と実践意欲が高まります。

理念は一度作ったら終わりではありません。社会情勢や医療環境の変化に応じて、定期的に見直し、必要に応じて更新することが大切です。

理念を効果的に伝えるためには、様々な機会を通じて繰り返し伝えることが重要です。新人研修、定例ミーティング、院内報など、様々な機会を活用しましょう。また、理念を院内に掲示したり、名刺の裏に記載したりするなど、日常的に目に触れる工夫も効果的です。

最後に、何より重要なのは、院長を始めとする幹部スタッフなどでも理念を体現することです。トップが率先して理念に基づいた行動を取ることで、スタッフ全体に理念の重要性と実践の仕方が伝わります。

このように、医院の理念を効果的に作成し、伝えることで、スタッフ全員が同じ方向を向いて業務に取り組む環境を作ることができます。理念の共有は、質の高い医療サービスの提供と、患者さんからの信頼獲得につながる重要な要素なのです。

理念を軸にしたスタッフ採用戦略

信頼できるスタッフの採用は、医院経営の成功に欠かせない要素です。しかし、単に技術や経験だけを重視するのではなく、医院の理念に共感し、それを体現できる人材を見出すことが重要です。

効果的な求人媒体の選択と活用法

スタッフ採用において、適切な求人媒体の選択は非常に重要です。医療業界に特化した求人サイトや、地域密着型の求人情報誌など、様々な選択肢がありますが、それぞれの特性を理解し、自院に最適な媒体を選ぶことが大切です。

求人広告を出す際には、単に職種や勤務条件だけでなく、医院の理念やビジョンも明確に伝えることが効果的です。これにより、単なる「仕事」を探している人ではなく、医院の理念に共感し、共に成長していきたいと考える人材を引き付けることができます。

また、自院のウェブサイトでの求人情報の掲載も悪くありません。開業後のウェブサイトでは、医院の雰囲気や日々の取り組みなどを詳しく紹介することができ、応募者に医院の理念やカルチャーをより深く理解してもらうことができます。ウェブサイトを通じて、医院の魅力を直接伝えることで、応募者の関心を引き、より質の高い人材を集めやすくなります。

面接時に理念適合性を見極めるポイント

理想を言うなら面接では、応募者の技術や経験を確認するだけでなく、医院の理念との適合性を見極めることが重要な機会です。限られた時間ではありますが、医院の理念について簡単に説明し、応募者の反応を観察するのも一案です。単に同意するだけでなく、自身の経験や考えと結びつけて話せるかどうかに注目します。

また、過去の職場での経験や、医療に対する考え方を聞くことも重要です。応募者の価値観や仕事に対する姿勢が、医院の理念と合致するかを見極めます。このように、理念を軸にした採用戦略を展開することで、医院の成長に真に貢献できる人材を見出すことに繋がることでしょう。

理念を中心としたスタッフ教育プログラムの構築

スタッフ教育は、医院の理念を浸透させ、実践につなげるための重要なプロセスです。単なる技術研修だけでなく、理念を中心に据えた包括的な教育プログラムを構築することが、医院の成長と質の高い医療サービスの提供につながります。

新人研修での理念教育の重要性

開業前の段階ではなかなか時間を確保するのは難しいですが、理想としては新人スタッフに対する研修は、医院の理念を伝える最初の機会であり、とても重要です。この段階で理念を深く理解してもらうことで、その後の業務や患者対応において、理念に基づいた行動を取ることができるようになるからです。

新人研修では、単に理念を伝えるだけでなく、具体的な事例を交えて説明することが効果的です。過去に理念に基づいて行動したスタッフの事例や、患者さんからの感謝の声などを紹介することで、理念が実際の業務にどのように活かされているかを実感してもらえます。

また、グループディスカッションやロールプレイングなどを通じて、理念を自分自身の言葉で表現したり、実際の場面で適用する練習をすることも有効です。これにより、理念を単なる言葉ではなく、実践的なガイドラインとして捉えることができるようになります。

これらは開業後に、患者様目線のチームワークができているかを確認するためにも有効となることでしょう。

継続的な理念浸透のための取り組み

理念の浸透は一朝一夕には成し遂げられません。新人研修後も、継続的に理念を意識し、実践していくための仕組みづくりが重要です。

そのためには、理念に基づいた行動や成果を評価・表彰する制度を設けることも効果的です。これにより、スタッフの理念実践へのモチベーションを高めると同時に、具体的な行動指針としての理念の役割を強化することができます。

理念共有がもたらすチーム力の向上

医院やクリニックにおいて、スタッフ間の協力は患者さんへの質の高いサービス提供に不可欠です。理念の共有は、このチーム力を大きく向上させる力を持っています。

モチベーション向上と離職率低下の関係

理念の共有は、スタッフのモチベーション向上に大きく寄与します。自分の仕事が単なる日々の業務ではなく、医院の理念実現につながる重要な役割を担っているという認識は、仕事への誇りと責任感を高めるからです。

この高いモチベーションが維持できれば、自然と離職率の低下につながります。理念に共感し、その実現に向けて努力することで得られる充実感は、単なる給与や待遇以上の満足をスタッフにもたらすからです。また、理念を軸としたチーム結束力の強化は、職場の雰囲気を良好に保ち、ストレスの少ない環境づくりにも貢献します。これも離職率低下の重要な要因となります。ただし前提として、優秀で信頼できる、モチベーションの高いスタッフは、その分他クリニックからの評価も受けやすいため、賃金等の条件面できちんと還元してあげる必要があるのは言うまでもありません。

大規模な病院や有名企業など、大資本により福利厚生が充実した環境と異なり、一般的なクリニックで働くスタッフは少しでもより高い賃金条件を求める傾向と、職場内での人間関係に重きをおく方が多いということは、離職率を考える上では考慮しておかねばなりません。

理念を軸にしたチームワークの醸成

共通の理念は、スタッフ間のコミュニケーションを円滑にし、チームワークを強化します。例えば、「患者様中心の医療」という理念があれば、医師、看護師、受付スタッフなど、それぞれの立場から患者さんのためにできることを考え、提案し合うことができます。この過程で、職種間の壁を超えた協力体制の自然な構築が期待されます。

患者満足度向上につながる理念共有の効果

地域医療に貢献する医療機関として、医院やクリニックの最終的な目標は、患者様の健康と満足度の向上です。理念の共有は、この目標達成に大きく寄与します。クリニックの経営にあたり、この発想から始めると単なる利益の追及により医療の本質を見失うことなく、事業としても順調に回っていきやすくなります。

スタッフの意識変化が医療サービスに与える影響

理念の共有により、スタッフの意識は大きく変化します。単なる「仕事をこなす」という姿勢から、「患者さんの健康と幸せに貢献する」という意識へと変わっていきます。この意識の変化は、医療サービスの質的向上に直結します。

例えば、「患者さん一人ひとりに寄り添う医療」という理念があれば、診察時間を少し長めに取ったり、患者さんの不安や疑問に丁寧に答えたりする姿勢が自然と身につきます。また、「最新の医療を提供する」という理念があれば、スタッフ自身が積極的に新しい知識や技術の習得に努めるようになります。

このようなスタッフの意識と行動の変化は、患者様にも確実に伝わります。結果として、患者さんは単に治療を受けるだけでなく、医院全体からのサポートを感じ取ることができ、満足度の向上につながります。実際には、すでに毎日多くの患者様が来院されているクリニックでは、個々に丁寧に対応している余裕などないかもしれません。それでも、一声かけられるかどうかで患者様の印象、満足度はまったく異なりますが、それすら叶わない状況下では、そもそも人手不足等の、経営改善を促す気づきとなる事もあります。

とにかく忙しければ、会計数値的、経営的には順調ともとれるわけですが、ネットでの口コミを見るとかなり辛辣なコメントや低評価となってしまっているクリニックも見られます。ご開業当初にどんなクリニックにしようと思ったのか、定期的に理念とスタッフへの共有度を確認して見て下さい。

患者からの信頼獲得と口コミ効果

理念に基づいた一貫性のある医療サービスは、患者さんからの信頼獲得に大きく貢献します。全てのスタッフが同じ理念のもとで行動することで、患者さんは診察から会計まで、一貫して高品質なサービスを受けることができます。

この信頼感は、患者さんの口コミを通じて広がっていきます。現代では、SNSや口コミサイトを通じて、医院の評判が急速に広まる傾向にあります。理念に基づいた質の高いサービスは、ポジティブ な口コミを生み出し、新たな患者さんの獲得にもつながります。

また、患者さんとの信頼関係が構築されることで、治療のコンプライアンス向上や、予防医療への積極的な参加など、患者さん自身の健康に対する意識や行動にも ポジティブな影響を与えることができます。これは、長期的な視点で見ると、地域全体の健康増進にも貢献する可能性があります。

医院リーダーシップと理念浸透の関係性

理念の共有と実践において、医院のリーダーシップは極めて重要な役割を果たします。院長をはじめとする管理職の姿勢や行動が、スタッフ全体の理念理解と実践に大きな影響を与えるのです。

経営者自身の理念体現の重要性

理念の浸透において最も重要なのは、経営者自身が理念を体現することです。院長が日々の診療や患者対応、スタッフとのコミュニケーションにおいて、常に理念に基づいた行動を取ることで、スタッフに対して強力なロールモデルとなります。

例えば、「患者さんの安心感を最優先する」という理念を掲げている場合、院長自身が患者さんに対して丁寧に説明を行い、安心して治療を受けられる環境を整える姿勢を示すことが求められます。

また、「チーム医療の推進」という理念があれば、院長がスタッフの意見を積極的に聞き、多職種連携を率先して行う姿勢を示すことが効果的です。

このような経営者の行動は、スタッフに理念の重要性を実感させ、自らも理念に基づいた行動を取ろうという意識を高めることにつながります。

事務長(主任)の役割と育成方法

理念の浸透において、事務長、あるいはスタッフ様と院長先生を仲立ちしてくれる主任のように調整役の役割も重要です。彼らには橋渡し役として、理念を具体的な業務や行動に落とし込む管理の役割も行って頂くとよいでしょう。

その育成においては、理念の深い理解を促すことが重要です。院長との対話の機会を増やしたり、理念に関する深い議論の場を設けたりすることで、理念の背景や意図を十分に理解してもらうことができます。

以上のように、医院やクリニックにおける理念の共有は、スタッフの採用から教育、チーム力の向上、患者満足度の向上まで、幅広い面で指針となる役割を果たします。そして、その効果を最大化するためには、経営者から事務長(あるいは主任)、そして全てのスタッフまでが一丸となって理念を理解し、実践していくことが求められます。

執筆者 / 松崎 史朗

税理士法人TOTAL 開業支援部部長
宅地建物取引士合格 FP2級技能士 証券外務員一種 明治大学卒業

国際証券(現在の三菱UFJモルガンスタンレー証券)でリテール営業を経験後、外資系メーカーなどにも勤務。個人事業4年間を経て平成30年より税理士法人TOTAL再入社

関連記事

支援イメージ

TOTAL
クリニック開業支援
サービス

安心の開業サポート
開業について、困ったことや課題がありましたらお手伝いします!

支援イメージ
  1. 今すぐ面談予約
  2. 0120966390