クリニックのホームページ（https://szokhc.jp/）にも書いてありますが、私たちが大切にしている考え方として、
「患者様が誇りと尊厳のあふれる人生を全うし、ご家族が命を受け継ぐ一助となりたい」
というクリニックの理念があります。

そのために、スタッフには、
「動く総合病院にしよう」
「お看取りまでしっかりと」
という２つの考え方を伝えて、実践してもらうように心がけています。

「動く総合病院」というのは何かというと…
総合病院は、そこにいけば、内科・外科・皮膚科・耳鼻科・・・とそれぞれの専門領域に特化した診療を受けられますよね。
私たちは在宅診療でそれと同じような世界を実現したい、と考えています。

当クリニックには、患者様の診療に必要なそれぞれの専門領域をもつ専門家が在籍しています。そしてその全てのメンバーが、
「病気を治すだけでなく、その患者様の生活を見守り、患者様だけでなく、そのご家族にも寄り添う」
という在宅ならではの考え方を共通して持っています。そこを自分たちの特徴としてこれからも大切にしていきたいと思っています。

そしてそういった取り組みの結果として、患者様が毎年200人以上ずつ増え、在宅の看取り率が90％を超える、といった数字にも現れているのかな、と思います。

一番最初は施設診療からのスタートになりましたので、施設に対するコミュニケーションにはとても気をつかいました。

開業当初から、施設の職員や本部長とは毎週のようにカンファレンスを重ねて、率直な意見をぶつけあいました。

最初は意見交換が白熱するあまりケンカのような感じになったこともありますが、回数を重ねるごとに「患者様のために何ができるのか」という考え方で足並みが揃い、今では同じ目標に向けてしっかりと協力し合えるようになりました。毎月定期的に色々な勉強会を開催したり、忘年会などもご一緒させてもらったり、と大変よい関係が作れています。

さらに今では「施設から施設の紹介」という形でご紹介をしていただけるようになっています。

在宅診療ならではの大切な視点として、患者様とご家族の心に寄り添う姿勢を大事にしているところかな、と思います。

まずスタッフに徹底しているのは、「悪くなってから電話をする」のではなく、「悪くなりそうな段階で電話をする」ということです。

一例ですが、「肺炎になってしまってから」ではなくて、「どうも肺炎になりそう」という段階でご家族にも話をしておく。そうすることで、ご家族に「その時がきたらどうするか」ということをお考えいただく準備の期間をつくることになります。

ご自宅で看病しているご家族にとって、そういった心の準備はとても大事なこと。あとから「あの電話のあと、家族で話し合って決めていました」といったお話をご家族からいただくことも多いです。

また、ご家族から電話がかかってきたら、必ず「伺いましょうか？」とお聞きするようにしています。患者様やご家族からしてみると、かかりつけとはいえドクターに「きてください」とは言いづらいものです。ですから、こちらから「伺いましょうか？」とお聞きすることが、ご家族の心の負担を軽減することにもつながります。

在宅診療は、そういった患者様やご家族の不安の解消や心のケアができないと意味がないと思います。

不安はあまりありませんでしたが、今振り返ってみると、在宅医療は私たちだけでは成立しないので、地域にどのように信頼していただけるか、という点はとても気を配りました。

今でも、地域に信頼し続けていただけるようにがんばろうとスタッフにも話をしています。

クリニックを開業する前に個人事業をやっていたこともあり、税理士との付き合いもありましたし、自分自身も普通の個人事業主として税金面の知識はありました。

しかし、医療法人の税務をお任せして、専門家、特に医療を専門にしている税理士さんだけあって、それ以上のことを教えてもらえていると感謝しています。

また税金だけでなく、医療法人の運営に大きく関わってくる「医療法」など、通常の税理士では押さえていないだろうな、という話もスムーズに通じるので助かっています。