2020年2月28日 「医院・クリニックの内覧会当日、注意するべきポイントとは?」を公開しました!

医院・クリニックの内覧会当日、注意するべきポイントとは?(内覧会vol.3)

前々回、前回と、医院・クリニック開業時に必要な内覧会について続けて考察してきました。
今回は、いよいよ内覧会当日。これまでの内容をおさらいしながら、注意すべきポイントとアピールポイントについて、ご説明したいと思います。

 

内覧会の注意すべきポイント

①導線の確保

幸いにして盛況な内覧会となった場合、逆に混雑して不快な思いをされる方が出てしまうかもしれません。
そういった事態を避け、緩和するためにも、お客様の誘導ルートや、院長先生にお引き合わせする手順などをあらかじめきちんと決めておくことが大切です。

 

②清潔感の確保

『開院間もなければきれいに決まっているじゃないか、清潔感に問題なんてないだろう』
と油断せずに、トイレやエントランス、窓口周辺などは、担当を決めて気をつけるようにしてもらいましょう。

お客様(将来の患者様)は、私たちが考えている以上に施設の清潔感に対して敏感です。
今後の衛生管理にも直結しますので、どれだけ清潔にしてもしすぎることはないでしょう。

 

③スタッフ応対

暇だからと言っても、スタッフ同士の私語は控えさせるべきです。お客様は意外とスタッフのおしゃべりが気になっています
クリニックについての説明なら、もちろん問題ありませんが、誤解されることのないように気をつけてもらいましょう。

 

クリニックのアピールポイント

①ドクターの専門性、治療行為のアピール

お越しになったお客様には、たいていの場合、既にかかりつけのクリニックがあるはずです。
内覧会はその習慣から心変わりしてもらう、貴重なきっかけ・チャンスとなります。

そのために、治療や疾病に関するお客様からの思わぬ質問にも、ある程度お答えできるように準備しておきましょう。ドクターの専門性、丁寧な回答が信頼へつながります。
また、受付カウンターにクリニックを紹介するリーフレット(病院案内)を置くなどすると、必要に応じてサッとお渡しでき、オススメです。
新聞折込やポスティングで使ったチラシが余っていれば、院外の許可されている範囲で配布するのもよいでしょう。内容は内覧会についてでも、クリニックの開院そのものをアピールできます。

 

②医療機器とその効果のアピール

クリニックにて特段ご紹介したい医療機器があるような場合には、積極的にアピールするべきです。
しかし、機器の素晴らしさもさることながら、それを親切かつ丁寧に(患者様のためになると)説明する先生やスタッフの姿勢こそが、クリニックの大事なアピールポイントとなります。
常に患者の立場で説明することを心掛けましょう。

 

③粗品(ノベルティグッズ)の配布

内覧会当日は、当日の会場への誘導を促したり、クリニックの印象を強めてもらうため粗品(ノベルティグッズ)を配布することが一般的ですが、ご来院される方の中には内覧会での粗品自体を目当てに来られる方がいます。そんな方の目的が叶わなかったとなると、
「あのクリニックには粗品がなかった。ケチだよね。」
といった不満につながり、意図せず悪いウワサや口コミに姿を変えてしまう可能性も考えられます。万全を期すためにも、少し多めに準備しておくと安心かもしれません。

いずれにせよ、粗品目的の方には注意して応対する必要があります。

 

ポイント
  • 病院案内を作成しておく
  • 治療に関する質問をある程度予想しておく
  • 医療機器のメリットを訴えつつ、真摯な姿勢を見せる
  • 粗品は少し多めに準備する

 

その他注意すべきポイント

スタッフに対するケア

この点は意外と盲点なのではないでしょうか。

あまり熱心に患者目線ばかりで準備をして、スタッフに
『こんなに重要な内覧会なのだから、〇〇するのは当たり前だ!』
と高圧的な態度で当日まで臨めば、スタッフが心身ともに疲弊してしまいます。

その結果、
『こんな調子のクリニックだと、これから大変そう…』
とスタッフがモチベーションを下げてしまうかもしれません。そればかりか、いきなり退職願を出されてしまうことも

内覧会が盛況であった場合でも、期待ほどではなかった場合でも、やはり支えてくれたスタッフに対しての感謝はとても大切です。
ねぎらいの言葉がけは、是非とも行ってあげてください。
後日、親睦会あるいは反省会として、食事会などを設けるのもよいかもしれません。

 

◆まとめ

新しいクリニックとスタッフにとって、内覧会は最初の大きなイベントとなります。
良い内覧会とは、ご来院された方に“新しいクリニックの良さ”を感じてもらえるかどうか、ということになりますが、それだけではなく、院長先生とスタッフのチームワークを醸成することにまで繋がれば、大成功と言えるでしょう。
逆に開催したことで色々な問題が発生したとしても、見えなかった課題が早めに表面化したものと捉えれば、開院初期からの業務改善に繋げることもできます。

とはいえ、やはり気を付けておかねばならないのは、内覧会でのアテンドの手際の悪さで、気付かぬところでお客様が不快な思いをして帰られてしまうこと。
開院後に患者様が来て下さるかどうかの、“雰囲気づくりとしての接客”はすでに始まっています。
どうしたらご来院された方に「良い印象を持って帰っていただけるのか」をよくシミュレーションし、当日の段取りに欠陥が無いよう、丁寧に検討しておく必要があります。

ハードルを上げすぎてしまったかもしれませんが、来院された方とのお話しを通じ、
『今度具合が悪くなかったら、試しにこちらに来てみようかな。』
と思っていただけたようであれば、及第点には十分に達しています。

『話を聞いてもらえた』『きちんと治療行為の意味を説明してくれた』
といった最初の印象(第一印象)はしっかりと残っているものです。

お越しになったお客様(将来の患者様)の満足度を上げる意識を、きちんとクリニックとしてスタッフと共有できているかどうかは、是非とも確認してみてください。

 

 

これまで3回に渡って、クリニック開業の最初のイベントとなる内覧会についてお伝えしてきました。
内覧会は、開業初期の集患の厳しい時期での、絶好のチャンスとなります。ロケットスタートを目指して、ぜひこの機会を最大限に生かしてみてください。