2019年10月4日 「これだけは押さえておきたい!医療モールで開業するメリット・デメリット」を公開しました!

クリニック開業時の資金調達(融資・借入)における4つのポイント

医院開業にあたっては大きな金額を借入れることになります。金額が大きいからこそ、少しでも条件良く借入をしたいものです。

では、少しでも条件良く借入をするためにはどうすればいいのでしょうか。4つのポイントを見てみましょう。

 

1. しっかりとした経営理念・診療方針

意外に思われるかもしれませんが、資金調達プランの作成時にまず必要となるのが先生の「こういうクリニック・医院にしたい」という思いです。

そのビジョンをもとにして、必要となる医療機器や人員配置、内装等が具体的にイメージできるようになると、開業に必要な費用の全体像も見えてきます。

また、経営理念や診療方針は融資の面談でも聞かれますので、必ず準備しておきましょう。これは面談担当者からの信頼・好印象を獲得するためにも必要となってきます。

 

2. リアルな事業計画

経営理念や診療方針が決まったら、次は具体的な事業計画の策定となります。この『事業計画書』は融資を受ける際に必須のものとなります。

『事業計画書』には資金計画(必要資金とその調達方法)・開業後の見通しなどを記載します。実現の可能性やリスクをどこまでリアルに設定して試算できるのかが重要なポイントです。

加えて、融資審査においては、計画の慎重さと合わせて先生の『自信』や『熱意』も確認されます。それらの要素がバランスよく現れ、融資の回収にはほぼ問題がないと評価してもらえる内容の事業計画が理想的です。

 

3. 実績のある専門家の利用

開業支援を請け負う専門家は

  • コンサルタント
  • 会計事務所
  • 医療機器メーカー
  • 医薬品卸

など多種多様となっていますが、依頼する際は融資の実績がある専門家を利用をすることが重要です。

一部の専門家は収支の見込みや集患数の想定が甘く、現実的とは言えない事業計画書を策定するケースも見受けられます。

実績があり、自身が納得いくような事業計画書を提示してくれる専門家を利用しましょう。

 

4. 複数金融機関の融資条件の比較

資金調達先としては日本政策金融公庫、民間銀行、ノンバンク等の複数金融機関があります。

それぞれの融資情報はホームページやパンフレットから手に入れることができますので、条件を比較してみましょう。

比較する際のポイントは、

  • 借入期間
  • 借入金利
  • 保証料の有無
  • 保証人の有無
  • 借入対象者の要件

等です。

 

各金融機関の特徴

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は政府系の金融機関であり、医院開業時に利用する先生も多くいらっしゃいます。

融資の特徴は下記の通りです。

  • 固定金利
  • 比較的低金利
  • 設備資金に対する返済期間が長期(最長15年)
  • 運転資金は5年
  • 無担保、無保証人で借りることができる枠もある

 

独立行政法人福祉医療機構(WAM)

独立行政法人福祉医療機構は厚生労働省所管の独立行政法人です。社会福祉事業施設や、病院・診療所等の整備のための貸付事業を行っています。

融資の特徴は下記の通りです。

  • 固定金利
  • 低金利
  • 新築資金であれば、最長20年/所要額の70%が上限
  • 機械購入資金であれば5年
  • 資金の種類によっては、診療所不足地域のみ対象とする(対象地域は医療機構ホームページにて確認可能)
  • 原則、担保・保証人が必要。

 

民間金融機関

都市銀行や地方銀行、信用金庫などです。金融機関によっては医院開業向けの商品があります。

各金融機関ごとに異なりますが、概ねの融資の特徴は下記の通りです。

  • 変動金利、固定金利選択型が多い
  • 無担保、無保証の商品も多い(ただし金額に上限あり)
  • 地方銀行、信用金庫等は地域密着型で融資の審査も早いことが多い

 

医師信用組合

医師会会員の相互扶助を目的とした金融機関です。ただし、医師信用組合が存在しない都道府県も多いです。
融資の特徴は下記の通りです。

  • 変動金利が多い
  • 信用組合によっては無担保、無保証型の商品もある
  • 融資のためには医師会への加入が必要

 

返済方法の上手な選び方

融資を受ける際には、返済方法を理解して選択しなければなりません。

返済方法には『元金均等』『元利均等』の2種類があります。

元金均等 元利均等
概要 元金部分を返済期間で均等に割り、元金部分の残高に応じて利息部分をのせていく方法。返済額(元金+利息)は返済が進むにつれ少なくなる。 元金と利息を合わせた返済額は変わらず、返済金額に占める元金と利息の割合がだんだんと変化する返済方法。返済額(元金+利息)が一定。
メリット 元利均等に比べ、利息は少なくなる
元利均等よりも利息が少ない
返済計画が立てやすい
元金均等に比べ、返済開始当初の返済額を少なくできる
デメリット 返済開始当初の返済負担が重い
毎月の返済額が違う
元金均等よりも利息が多い

 

前述したメリット、デメリットはあくまでも一般論です。続いて実例を見て比較してみましょう。

【条件】借入金1000万、返済期間10年、金利2.0%

項目 元金均等返済 元利均等返済
初回返済額(元金) 83,373円 75,347円
初回返済額(利息) 16,667円 16,666円
返済総額 11,008,329円 11,041,560円

上記の条件の場合の総返済額の差は33,231円となります。

実際の数字で見てみると、返済総額の差はそこまで大きくないと感じる方もいるかと思います。

「返済総額で見るとお得だから」と元金均等返済を希望する方も少なくないですが、繰上げ返済を併用することで元利均等返済でも十分に効果を出すことができます。

そのため一概にどちらが有利とは言えません。

  • クリニック開業当初の返済額の負担を減らすため元利均等返済を選ぶ
  • 総返済額が少ない方がいいので元金均等返済を選ぶ

など、ご自身にとってのメリットを考えて、どちらにするか選択しましょう。

 

以上、クリニック開業時の資金調達のポイントを見てきました。

資金調達でつまずかないよう、開業までをともに歩める専門家の意見も聞きながら、着実に進むことをおすすめします。

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