TOPへ戻る

融資を受ける場合の進め方(全体像)

融資を受ける場合の進め方(全体像)

  • ホーム
  • クリニック開業の教科書
  • 融資を受ける場合の進め方(全体像)

融資を受ける場合の進め方(全体像)

2017年6月28日更新

借入融資
画像

開業資金を借入れで調達をする場合、どのように進めていくのでしょうか。ここでは、融資を受ける場合の進め方についてご説明します。

1.開業ビジョン・コンセプトの明確化

融資を受けようと考えた場合、まずは開業ビジョン・コンセプトを明確にすることが重要です。開業ビジョンを考える上で大きな要素は2つ、医療機器と内装工事です。


どのような診療スタイルにするのか? 検査などはどこまで実施するのか? 提供する医療(診療ビジョン)には費用(医療機器など)が必要になります。
当然開設当初から導入する医療機器もあれば、開業後に様子をみてから導入するものもあると思います。ここでは、開設当初から必要になる医療機器かつ最低限必要である機器で計画することをお勧めいたします。


院長先生の『夢』の実現も大切ですが、まずは現実的なところでスタートし、ニーズや経済状況を確認して頂きながら導入することも重要です。
内装工事についてもビジョンやコンセプトとリンクしてきます。シックな内装にするのか? 明るく清潔感のある内装にするのか? 高級感のある内装で攻めるのか?
当然地域性や科目によっても違ってきます。
また、将来導入予定の医療機器があれば、その機器の設置予定場所に必要な設備も設ける必要があります。

このようにコンセプト・ビジョンを明確化し、おおよそいくら必要になるのかを確認して頂くことが大切です。これにより、借入はいくら必要なのかが見えてきます。



2.事業計画

ビジョン・コンセプトを明確にし、目指すクリニックにはいくらかかるのか?
開業にかかる大きな資金が『医療機器』と『内装工事』です。


明確にして頂いたコンセプトを基に事業計画を作成しますが、計画を立てる上で重要なのが、甘い計画(絵に描いた餅)では意味がありません。患者数・患者単価にいは無理はないか、職員数が少なすぎないかなど正確に落とし込むことが重要です。場合によってはビジョンやコンセプトを見直して事業縮小を考えなければならないこともあり得ます。
また、運転資金は潤沢に取っておくことです。事業を起こすタイミングが一番借りやすい時であり、ギリギリの運転資金で枯渇したからと追加融資を申し込んでもなかなか借りられないからです。仮に、運転資金が余るようであれば繰り上げ返済をして頂ければ良いと思います。計画上一番いけないのが、『甘い計画』を立てることです。
吟味した事業計画を基に借入額を決めて金融機関へ融資申込を行います。金融機関もプロです。しっかりとした計画で融資の申し込みをしましょう。



3.融資申し込み

必要書類を揃えて金融機関に融資を申し込みます。必要書類はまた別記事でご紹介しておりますので、そちらもご覧ください。


ここでポイントとなるのが、複数の金融機関に申込をすることです。このことは、金融機関に伝えて頂き、「人生を賭けた大事業なので少しでも条件の良いところで借りたい」と言って頂ければ金融機関は理解して頂けます。または、ハッキリとコンペである事を伝えて頂いても構いません。大切なのは、出来るだけ条件よく借りることです。



4.銀行面談

面談では、書類ではわからない院長先生の人柄や経歴・専門、診療所経営への熱意と責任感などをみられます。


ポイントになるのが、開業地を選んだ理由、診療圏調査の結果、事業計画を頭にいれ、自分の言葉で全て話せるように準備しておくことです。
その場で書類を見ながら回答するよりも、説得力が増し、好印象につながります。
また、自身がこれまでに研鑽してきたこと、専門性のアピールなどプラス要因は出来るだけアピールすることをお勧めいたします。



5.融資契約・口座開設・融資実行

金融機関で審査承認されたら、良い条件を出してきた金融機関と契約です。
契約・口座開設・実行は一連の作業になります。


融資申込から実行まで、金融機関によって違いはありますが、おおよそ3週間から1ヶ月半程度かかります。
ポイントとして、実行を2~3回に分けて頂いた方が節約になります。なぜなら、1回で全額実行すると、その時から全額に対しての金利がかかってくるからです。例えば、内装工事の契約では、契約時に半額、引渡時に半額となっているところが多いため、それに合わせて融資の実行を分けて頂ければ、1ヶ月分ずらすだけでも、借入の金額が大きい為、金利の節約につながります。
口座開設は、融資実行の際に開設します。一般的に設備資金口座と運転資金口座の2つの口座を開設することが多く、融資が実行された設備資金口座から、設備購入などの支払いを行い完了した段階で解約になります。その際、注意が必要なのは当初申込をした際、設備資金として借りた資金は設備資金でしか使えないことです。仮に、価格交渉をして安くなったり購入予定の物を購入しなくて借入設備資金が余った場合、銀行は余った分を引き上げて融資しなかったことにするのです。

例えば、5,000万円の設備資金を借入れた場合で、4,500万円しか使わず、500万円余ってしまった場合は、4,500万円の借入となります。リースなどで調整はつきますが、注意が必要です。

この記事を書いた人

小原純一

税理士法人TOTALの開業支援チームを率いる『開業支援のプロ』。金融機関、大手リース会社での医療系サービス立ち上げ、クリニックの事務長など、医療業界での豊富な経験・実績を通じて、医療業界での確かな人脈・ネットワークを築き上げている。多くの開業支援実績に基づいた的確なアドバイスと、いつでも先生の立場に寄り添う親身な姿勢がこれまで開業を支援した先生から絶大な信頼を獲得し、開業後の先生からの相談も多数。